中途解約はできる?返金は?自動車保険の解約の注意点

2024年3月8日

自動車を売却または廃車にし、その後車を購入する予定がない場合は、併せて自動車保険の解約の手続きをしましょう。しかし、ただ単に解約しただけでは思わぬ事態を招いたり、損をしてしまったりするのをご存知でしょうか。自動車保険を解約する際の注意点や、いざというときに後悔しないためのノウハウも覚えておきましょう。

自動車保険を解約すると
どうなるの?

「解約」とは、保険期間の途中で契約者からの申し出により、契約の効力を終了させることをいいます。
保険期間中であれば解約はいつでも可能で、違約金などは発生しません。では、自動車保険を解約すると、どうなるのでしょうか。

補償がなくなる

自動車保険を解約すると、解約手続きによって指定した解約日以降、自動車保険の補償がなくなります。

気を付けたいのは、ご契約のお車に搭乗中以外の補償についても、補償がなくなる点です。
例えばイーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)においては、「人身傷害」の「車内・車外ともに補償」タイプを付帯すると、ご契約のお車に乗車中の事故だけではなく、他のお車に乗車中の事故や、歩行中の自動車事故も補償されます。「こちらの自動車保険で補償されるから大丈夫」と同居のご家族内の他のお車の自動車保険で、ご契約のお車に乗車中の事故に補償を限定している場合は、注意が必要です。このようなケースでは、一方を解約した場合にご契約のお車に乗車中以外の補償がなくなってしまいます。解約する際には、この観点で問題がないか確認するようにしましょう。

解約返戻金を受け取れる

保険期間が残った状態で解約すると、解約返戻金を受け取ることができます。
解約返戻金の算出方法は、保険会社の商品ごとに異なります。
&eでは、保険期間のうち未経過であった期間の保険料を払い戻します。なお、お支払いいただくべき保険料があるときは、払い戻し保険料との差額を精算し、追加の保険料を請求することがあります。

解約して他社に乗り換える場合の注意点

他の保険会社に乗り換えるために、保険期間中に解約することもあるでしょう。その際の注意点を解説します。

等級

自動車保険を解約すると、初めて自動車保険に加入したときから積み上げてきた等級を手放すことになります。
解約した後に、再び自動車保険を契約する予定であれば、新契約への等級引き継ぎを意識したほうがよいでしょう。具体的には、新契約のタイミングが重要です。
解約日の翌日から7日以内に契約すると、以前と同じ等級になります。解約日の翌日から8日目以降に契約すると、初めて自動車保険に契約するのと同じ扱いになり、原則として6等級からスタートします。
一方、満期日をもって他社に乗り換えた(または更新した)場合は、現契約の等級に1を加えた等級になります。
等級の引き継ぎという観点では、満期日のタイミングでの乗り換え・更新がいちばん好ましいと言えるでしょう。

(注)

現契約の保険期間が1年で事故がない場合

横にスクロールできます

現契約の等級 新契約の等級
解約した場合 解約日の翌日から7日以内に
契約した
10等級 10等級
解約日の翌日から8日目以降に
契約した
10等級 6等級
解約しない場合 満期日をもって乗り換えた
(または更新した)
10等級 11等級

なお、等級以外にも、解約して他社に乗り換える際には注意点があります。
詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
自動車保険を乗り換える際の注意点

解約してしばらくしてから
再度契約する場合は、
中断制度を利用しよう

自動車を廃車または譲渡する、もしくは海外転勤のためしばらく自動車に乗る機会がないという場合には、解約と同時に、加入している保険会社から中断証明書を発行してもらいましょう。中断制度を利用すると、契約を一旦中断し、中断後の新たな契約において、中断前に適用されていた等級などを引き継ぐことができます。

中断制度のメリット

前述のとおり、自動車保険を解約するとタイミングによっては積み上げた等級を手放すことになりますが、中断手続きをとることで、現在の契約の等級を引き継ぐことができることがメリットとして挙げられます。中断証明書は最大10年間有効となりますので、10年以内に再び自動車に乗ることがある場合には、中断手続きをしておいたほうがお得です。
また、この中断証明書は配偶者や同居の親族でも利用できます。将来、契約者の子どもが成人して車を購入し自動車保険に加入するような場合にも、中断証明書は有効です。等級による割引は保険料に大きな影響を与えますので、10年以内に自分だけではなく配偶者や同居の親族が車を購入する可能性も考えて、解約手続きとあわせて中断手続きをしておくとよいでしょう。
なお、中断証明書は、中断前と同じ保険会社だけではなく、別の保険会社でも利用が可能です。

中断証明書発行の要件

中断証明書を発行してもらうためには、いくつかの要件を満たしている必要があります。要件は保険会社によって異なりますので、利用する場合にはまずは各保険会社に問い合わせてみましょう。ここでは&eの場合の要件について解説します。

中断する契約の次の契約の等級が7~20等級であること

中断する契約の解約日(または満期日)に次の契約を締結すると仮定した場合の等級が7~20等級であるときに、中断証明書を発行できます。中断する契約に事故がある場合は、その件数に応じて減じた等級となります。

(例)

  • 現在の契約の等級が6等級で保険期間中に事故がなく、満期をもって中断する場合
    →次の契約の等級は1等級進んで7等級となるため、中断証明書を発行できます。

  • 現在の契約の等級が7等級で、保険期間中に3等級ダウン事故が1件あった場合
    →次の契約の等級は4等級となるため、中断証明書を発行できません。

手続き可能な期限内であること

中断証明書発行の申し出が、自動車保険の解約日もしくは満期日から5年以内である必要があります。保険会社によっては、13ヶ月以内としているところもありますので注意しましょう。

以下のようにお車に乗らない状況になること

  • 契約のお車を廃車・売却(譲渡)・リース会社へ返還した
  • 契約者または主に運転される方が海外渡航する
  • 契約のお車が盗難された
  • 他の契約のお車の廃車等にともない、契約のお車を他の契約に車両入替した
  • 契約のお車が一時抹消登録された
  • 契約のお車が車検切れとなった

中断証明書を利用して
契約を再開する場合は

新しく車を購入した、海外から帰ってきた、など再度自動車保険を契約する際は、まずは契約を希望する保険会社に相談しましょう。中断証明書を利用して契約を再開するためには所定の条件がありますので、確認が必要です。

解約の手続き

解約を行う場合には、保険会社へ連絡し手続きを行いましょう。
代理店型の自動車保険であれば、解約前に代理店へまずは相談しましょう。ネット自動車保険であれば、Webサイトまたは電話で保険会社に相談しましょう。
なお、過去日付に遡っての解約はできません。お車を手放すことが決まったら、早めに代理店または保険会社に相談したほうがよいでしょう。

監修:新井 智美

コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)をおこなうと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績 は2,000本を超える。

資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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