自動車保険(任意保険)の加入率は何%?

2024年3月8日

自動車に関する保険には、法律で加入が義務づけられている「自賠責保険(強制保険)」と、任意に加入する「自動車保険(任意保険)」の2種類があります。自動車保険は、加入の義務はありませんが、お車を運転するうえでは必要不可欠なものといえます。この記事では自動車保険の加入率や、加入の必要性について解説します。

自動車保険の加入率

自動車保険の加入率はどのくらいか、ご存知でしょうか。
損害保険料率算出機構が2023年4月に発行した「2022年度 自動車保険の概況」によると、保険会社が取り扱う「自動車保険」と、同じく自動車事故の損害への備えであり、全労済やJA共済などの共済が取り扱う「自動車共済」の加入率は、以下のとおりとなっています。

対人賠償の普及率
自動車保険 75.4%
自動車共済 13.3%
88.7%

<損害保険料率算出機構「2022年度 自動車保険の概況」より>

対人賠償の普及率から鑑みると、自動車保険または自動車共済への加入率は、約9割です。
残りの約1割は、自動車保険または自動車共済に未加入の「無保険車」、または構内専用車(道路以外の場所においてのみ使用する自動車)であると考えられます。後述しますが、「無保険車」との事故においては、必要な補償を十分に受けられない可能性があります。お車を運転される方は、「すべての車が自動車保険に加入しているわけではない」という事実を知っておいたほうがよいでしょう。

補償別に自動車保険の加入率をみてみましょう。

各補償の普及率

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相手方への補償 お車によるケガの補償 お車の補償
対人賠償対物賠償 人身傷害 車両
自動車保険 75.4% 75.5% 71.0% 46.5%

<損害保険料率算出機構「2022年度 自動車保険の概況」より>

お車を運転するうえで、最低限必要である「対人賠償」「対物賠償」といった相手方への補償の加入率は、補償の中でもっとも高くなっています。
また、お車によるご自身や同乗者のケガを補償する「人身傷害」の加入率も、約7割と高めです。相手方への補償と同様に、必要な補償だと多くのドライバーに認知されているようです。
一方、お車の損害を補償する「車両保険」への加入率は5割を下回っています。「車両保険」に関しては、お車を購入してからの年数に応じて加入率が下がるといった傾向もあり、全体でみると他の補償と比べて加入率が低くなるようです。

自動車保険への加入を
おすすめする理由

上記の通り、お車を所有・運転するほとんどの方が自動車保険に加入しています。自動車保険は任意加入であるにもかかわらず、なぜこれだけ高い加入率となっているのでしょうか。その理由についてみていきましょう。

自賠責保険だけでは補償が十分でない

強制加入である自賠責保険があるから、自動車保険に加入しなくてもよいのでは?と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そもそも自賠責保険は人身事故による被害者を救済するための保険です。自賠責保険があることで、加害者側が負いきれない経済的な負担を保険金で補填し、被害者への早急な救済を行うことができます。
そのため、自賠責保険は相手方の死傷に関する対人賠償部分のみであり、事故で物を壊してしまった際の損害賠償や、ご自身のケガの治療費については、自賠責保険では補償されません。また、被害者への損害賠償のうち自賠責保険でまかなえない部分は、当然ながら自己負担になることを覚えておく必要があります。

このようなことから、自賠責保険だけでは自動車事故に対して十分な備えができないといえます。

自動車保険であれば幅広く、
手厚く補償できる

一方、自動車保険は様々な補償を組み合わせて加入することができます。
補償内容は対人賠償部分に限らず、事故の相手方のお車などの損害を補償する「対物賠償」、お車に同乗していた方のケガなどを補償する「人身傷害」、ご契約のお車の損害を補償する「車両保険」などがあります。
これら以外にも、さまざまな補償や特約を組み合わせることで、ご自身にぴったりの補償内容にすることができます。

自動車事故の損害に備えるなら、しっかりと補償してくれる自動車保険への加入はお車を運転するうえで必須のものだといえるでしょう。

事故の相手方が自動車保険に加入していないとどうなる?

冒頭でご紹介した通り、自動車保険または自動車共済の加入率からすると、自動車保険または自動車共済への加入率は約9割にとどまります。では、例えば事故にあって、相手方が無保険車だった場合、補償は十分に得られるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

相手方から十分な補償を
受けられない可能性

ご自身がケガをされた場合の治療費等については、相手方が無保険車の場合は、相手方の自賠責保険からのみ補償されます。ただし、これまでご説明してきたように自賠責保険の補償額は十分ではありません。自賠責保険でまかなえない分は相手方が自己負担して補償することになりますが、相手方に賠償能力がなければ、支払われるまでに時間がかかったり、十分な補償を得られず、事実上の泣き寝入りとなってしまう可能性もあります。

また、ご自身のお車が損害を受けた場合、自賠責保険には対物補償がないため、相手方の自賠責保険から補償を受けられません。そのためこの場合も、相手方に賠償能力がなければ十分な補償を受けられない事態が起こるかもしれません。

無保険車との事故に備えるには
どうしたらいいのか

無保険車との事故でも金銭的な負担がかからないようにするために、ご自身の自動車保険で備えておくことをおすすめします。

例えば、ご自身がケガをしてしまった場合は、ご自身の自動車保険で「人身傷害」に加入していれば治療費等が補償されます。また、ご自身のお車の損害については、車両保険に加入することで備えることができます。
なお、保険会社によっては、無保険車との事故に備える保険が自動付帯されています(無保険車傷害保険、無保険車傷害特約といった名称などがあります)。この保険は、ご自身が死亡したり後遺障害を負ったりしたものの相手方が無保険車で十分な補償を受けられない場合に、治療費や休業損害などが補償されるものです。イーデザイン損保の自動車保険&e(アンディー)では、この補償は人身傷害の補償範囲に含まれています。

自動車保険に加入して
安心のカーライフを

自動車保険の加入率は100%ではないため、万一の事故の際に相手方が無保険車である可能性があります。もし相手方が無保険であっても、自身が自動車保険に加入していればその保険で補償を受けることができます。安心のカーライフを送るために、「無保険車も同じ道路を走っている」ことを想定し、自動車保険の補償内容を充実させましょう。

監修:新井 智美

コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)をおこなうと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績 は2,000本を超える。

資格情報: CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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